過去から現在と未来を知る

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

初代ドイツ帝国宰相 オットー・フォン・ビスマルクの言葉です。

かつて、人にとって病は神や悪魔から受ける祟であり、天地の命に背くと報いを受けると信じていました。

それを避けるため、西洋文化は神の用いる真理を解読し科学文明を築き、災厄を避けるため因果をコントロールしようとしました。 また、東洋文化は神の宿る自然と共に生き、因果を受け入れて逆らわぬように利用しました。

しかし洋の東西を問わず、人の歴史は争いと滅びの歴史であり、それによって蔓延する病と死はその時代を生きる人達にとって避けては通れないものです。

現在の日本は平和な時代にあり、多くの人は生命の危機を日常で感じることはありません。 例え病んでも発達した現代医学によっていとも簡単に治ることもあります。 人は病と死から遠ざかり、長寿を。さらなる健康を求める時代となっています。

病でなければ健康なのか? 病でなければ長寿が叶うのか? この問に医学は明確な答えを持ちません。 しかし、経験上、病でなくとも健康ではない状態があることを皆知っています。 

そして、現代の心身は過去の貴方が経た経験から出来上がったものです。

生物は必ず老い、いずれは病みます。 老化は間違いなくあらゆる病気の最大の要因です。

しかし、老化のスピードにはとても大きな個人差があるのはご存知の通り。

西洋の科学は老いを解明しつつはありますが、未知の部分もあり、人のそれを止めることはできません。

東洋は過去から多くの権力者が不老不死を求めて研究を積み重ねたものの実現には至っていません。

西洋と東洋の科学は見方の違いが有れどその求めるものは同じなのです。そして、不完全ながらそれをコントロールする術がある。

幸せが健康の上に成り立ち、その時間が有限であるのなら 限りある時間をできる限り有意義に使いたい。これは誰もが願うことです。

そして今、我々の取れる方法はそう多くありません。

だからこそ、過去の患者と学者たちが残した歴史を学び、利用する。

不老不死が叶わぬ以上、まだ発展途中ですが、それでも一人の経験よりも多くの人の積み重ねた歴史が我々にとって大きな助けになるのは間違いがありません。 残された記録からは現代の問題の原因を知ることができ、これから訪れる未来の変化を予想することができます。

食事、運動、睡眠、労働、遊び、生殖…。

人が生きること全てにおいて西洋の知識だけでは片手落ちなのです。 歴史は世界中で紡がれてきたのですから。

Posted by 品川総合漢方